「デスカンファレンス」(訪問看護)
- 2024
03/20
07:07
訪問看護認定看護師の宮﨑です。
今回は、ステーションでの取り組みとして2年目となった、デスカンファレンスについてお話しします。
ステーションでは、受け持ち療養者さんが亡くなると、1ヶ月以内(なかなか期日を守れていませんが)に、デスカンファレンスを開催しています。
参加者は、療養者さんと関わりがあったサービス事業所です。かかりつけ医や、入院先の看護師さんにもお声がけをしています。
受け持ちの訪問看護師は、カンファレンスを実施するまでに、療養者宅へグリーフケア訪問ができていることが理想です。
そして、受け持ち訪問看護師が、亡くなった療養者さんとの関わりのなかで、何を振り返りたいのかを明確にし、そのテーマにそって、参加者でディスカッションをします。
療養者さんやご家族の揺れる気持ちや想い、私たちが行った看護など、いろいろなテーマで、カンファレンスを行ってきました。
最近では、信頼関係を築く間も無く、数日で亡くなったケース、訪問看護が介入していなかったケースなどの、デスカンファレンスも開催しました。
そのようなケースを振り返る事が出来るのかと思うのですが、考え方を少し変えて、一番そのケースに関わっていた職種に焦点を当ててみると、療養者さんが見えてきます。不思議なものですね。
ステーションが関わり最期を看取った場合には、最期の時の様子を語り、参加者全員で、その場面を共有します。
ある病院の看護師さんからは、「病棟では、こんなに長く自宅で過ごせるとは思っていなかったし、退院をしたらどうなったのか分からないので、最期の時の様子が共有できて良かった。」との感想をいただいた事もあります。
私たちも、デスカンファレンスを通して、療養者さんと関わりのあった多くの職種と繋がることで、顔見知りの関係となり、次に会った時などにフランクに言葉を交わすことができるようになっています。
そして、参加者全員で、療養者さんについて語ることで、死別を経験した訪問看護師自身の心の癒しになることを実感しています。
「私たちがそれぞれ持っている療養者さんの情報を共有する事で、断片的でしか見えていなかった療養者さんが、ひとりの人となるのではないか。」そう言ってくれた医師がいました。
本当にその通りです。そのデスカンファレンスでは、思いやりがあり、凛とした生き方を貫いた、ひとりの療養者さんの姿が、浮かび上がってきました。とてもいい時間でした。
このような時間を増やせるように、来年度も取り組んでいきたいと思います。